09/01 (Sat) ｢9/1（土） 耳切りおばさん現る｣

私は、とある大きな駅の中のコーヒー屋でバイトをしています。

貧乏暇なし座長です。

朝早くに起きて出かけ、コーヒーやモーニングセットを出しています。

もう長く務めているので、仲のいい常連さんも沢山居ます。

６月には定年を迎えたおじさんを一人、見送りました《6/30（土） 花とオジサン》。

そう、長く務めたので、お客の移り変わりも感じるようになってしまいました。。

ああ、落ち込む。

 

タイトルの”耳切りおばさん”とは、そんな常連さんの中の一人です。

ウチの店に来るようになったころの注文の仕方は、

「モーニングセットをください。ドリンクはホットのカフェオレで。あ、悪いんだけど、パンの耳を落としてくれる？」

だったのが、通ってくるうちに、

「おはよー。モーニング、耳切り、ホットのカフェオレ」

になり、いつしか店の外に姿が見えただけでレジの子が調理担当の子に「耳切りおばさん来たよ」と合図をし、注文前にカフェオレを出してパンの耳を切るまでなりました。

まるで、熟年夫婦。

こういった経緯を経て、我々は耳切りおばさんと呼ぶようになったのです。

もちろん、おばさん本人に面と向かって呼びかけたことはありません。

耳切りおばさん。。

子供の頃、言うことを聞かない私を言い聞かせるために親が使った脅し文句に出てきそうです。

「早く寝んと、耳切りおばさんが迎えに来るにぃ！」みたいな。

通り魔か学校の帰り道の七不思議にでてきそうな響きでもありますね。

 

実はこのおばさん、ここ半年ほど姿を見せなくなっていました。

お忙しくなったのか、仕事場が変わったのか、それともウチよりいいお店を見つけたのか……いやいや、気付かぬうちに無礼を働いてしまったのではないか？

……なんて店長と話をしたのも随分前のこと。

話をしたことも忘れてしまっていた今朝、久し振りに耳切りおばさんがやってきました。

いつもの通りに耳切りカフェオレ。

なんだか嬉しくなった私は、耳切りを席まで運んで「お久し振りですね」と声を掛けてみました。

３月ぐらいに怪我をして入院してたそうで、今日からようやく仕事復帰なんですって。

よかった。

まだ足を引きずっていたけど、お元気そうでした。

働くことが嫌いで、実は早起きも大嫌いだけど、こうしてたまにはイイコトがある。

今日はいい日でした。

 

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