05/12 (Tue) ｢もんもん｣

こないだ、たまたまテレビを点けたら、心臓に疾患をもつ７つの少年のドキュメンタリーが流れていました。

心臓のこととなると、なんだか気になってしまう。

私の心室中核欠損症とは全く違うし、私は幸いものすごく元気なんですけどね。

拘束型心筋症というらしいです。

心室筋が硬くなってしまうそうで、心室の拡張が悪くなります。

病気が進行するにつれて、心臓に血液が流れ込みにくくなり、心室から心房への逆流、呼吸困難や動悸、不整脈、胸痛が起こります。

いつ心臓が止まるのかわからない。

予断を許さない状況なんですって。

発祥したのは３年前の４歳。

それまでは体を動かすのが大好きな男の子だったそうです。

いつ急死するか知れない我が子を前に、この三年間でお母さんがグッスリ眠れた日はあっただろうか。

具体的な治療法は無くて、移植をする他に生き延びる術はないそうです。

アメリカで移植するため、駅前で父親が叫ぶように募金を求めていました。

移植手術費用は１億５０００万円。

渡航費用を含めて１億８０００万円必要なんですって。

こうした難病を抱えた子供の海外での治療、そのための募金ってのは、私にとってよく聞くお話でありました。

夕方のニュースでもよく見かけるし。

病気の子供はよりよい技術を求めて外国で移植するものだと思っていたくらいでした。

結局、他人事だったのでしょう。

高い技術を求めてではなく、１５歳以下の子供の臓器移植が認められていないのです、日本では。

それも、認めていないのは世界でたった一ヶ国、日本だけ。

臓器移植には様々な考え方があるみたいですね。

心臓なんて、体に一つしかないものを移植するわけだから、提供者は死ぬのです。

臓器移植反対を唱える人の中には、生き延びる為に他人の死を待つのは道徳的にどうか……とありました。

また、脳死判定の判断基準の難しさとか、臓器売買とか、問題はたくさんあります。

そこは私、うまいこと意見が言えません。

でも、肉親が難病におかされたら道徳なんてくそくらえ！ってなります、たぶん。

それに、大人は良くて子供はダメって問題ではないでしょう。

どれだけ法律で縛ろうと、生きる可能性があれば家族は高額な費用の募金を集めるし、結局は海外で移植手術をするわけじゃないですか。

ならば多額な費用がまず無駄ですよ。

募金が集まるまでの間に子供の病は進行してしまうし、渡航は難病の子供の体力を奪うし、ただ助かる確率を下げてしまうだけではないですか。

貧しい国の子供が臓器売買の被害者となる小説を読んだことがあります。

有り得ることだと思うけれど、というか、実際あるでしょう。

けど、難病を抱えて生まれてくる子供がいる限り、そこを食い物にするヤツはいますよ。

子供の臓器移植を認めないことが解決策になるとは思えない。

移植手術が難しくなるほどに増長する商売だと思う。

じゃあ、本当の障害はなんなのか。

番組では、この法律を変えた方がいいと考える政治家はかなりのパーセンテージでいると言っていました。

ところが、国会で与党だ野党だと立場を分けて話し合うと相手の提案に反対することに熱が入りで、具体的に変わる方向に進まないとか。

なにか、すごくくだらない争いの犠牲者に思える、子供たちが。

ここ数日はそんなことをもんもんと考えていました。