08/27 (Wed) ｢一日｣

今日は朝から一日バイトでした。

休憩のたびに携帯でニュースをチェックしていました。

アフガニスタンの拉致事件が気になっていたからです。

昨夜、開放されたという情報が誤報だったというニュースを見て眠りにつき、今日の夕方には日本人の男性と思われる遺体が発見され、バイトを終えた頃には伊藤さんだと確認されていました。

振り返ると、今日一日の流れが変です。

人の命が、一日で花火のように消えてしまったような。

それで、ネットでいろいろ調べてみました。

様々な考え方があり、報道も合わせるとなんだかわからなくなってきます。

私なりに、これだと思ったものを要約します。

伊藤さんの所属していたペシャワール会とは、 国家規模の支援をなんの武器も、なんの国家のひも付き援助もなく20年以上もパキスタンやアフガニスタンで行ってきた団体なのだそうです。

リーダーの中村哲さんは、アフガニスタンで信頼され、尊敬されている日本人なのだと書いているブログもありました。

現地の文化を破壊しないようにアフガニスタンの治水の方法を取り入れながら、メンバーは支援する地域に住み、住人となる……この方法が最も安全なんだというのがペシャワール会の考え方なんですって。

2001年に政府与党が、アメリカのアフガン軍事介入への支援を急いだ際、中村氏は国会でこう証言しました。

「アフガニスタンで、私たちは今まで、 非常に安全に支援活動を行ってきました。 しかし、アメリカ軍に日本が協力することとになって、 『日本に裏切られた』と私たちが、 長年培ってきた友好関係が壊れています。 それから、私たちはいつも武器を持ちません。 武器を持たないほうが安全なのです」

しかし、その時日本政府与党の考えは、武器を持つ自衛隊というプロフェッショナルこそが支援の主体であるというものでした。

それで与党席は、中村氏が現地で暮らしているためにアフガニスタン人と同じヒゲを生やしていることから

「おまえはテロリストの手先だ」
「おいおい、タリバーンが出てきたよ」
「素人はひっこんでろ！」

というヤジを飛ばし、 結局、中村氏の意見は無視され、 自衛隊が派遣され、今まで長年培ってきたアフガニスタン支援が非常に危険な状態になった……。

私はこれが真実に近いのではないかと思っています。

彼は、その犠牲だと。

とても、残念です。

この事件を受けていつかのように、自己責任だの一言で片付ける人がいました。

自己責任は百も承知でアフガニスタンに行ったに決まっているだろう。

誰の責任で彼がアフガンに行ったと言うのか。

自己責任とは、死んでも仕方ない命という意味じゃない。

自己責任で、あのような活動が出来る人がどれほど居るでしょうか。

日本に居たって、誰かのせいにしたい、自己の責任すら取れない政治家のおじさんがいっぱい居る。

善意の自己満足だというのなら、自己満足の何が悪い。

自己満足ってどういうことか、自分だけが満足してるってことか。

本当にそう思えます？

彼のしてきたことが、そういう意味のただの自己満足で留まっていたなら、命まで落とさなかったはずです。

東京の街中を歩いている時に突如無差別に刺し殺された人はかわいそうで、アフガニスタンで武器も持たずに支援活動をする人が銃で撃たれて死ぬのはバカなのか。

 

鼻息を荒くしながら、今夜のジョギングは息が切れた。

頭が沸騰しようとも、高らかに声をあげたりしない。

誰の責任でもアフガニスタンになんて行けやしない。

非難出来る人などいやしないんだよ。

私が悲しいのはそれなんだ。

 

ご冥福を心から祈ります。