01/30 (Fri) ｢私はあなたの……｣

池袋駅でＪＲの改札を出ようとしたら、見知らぬ男性に声をかけられました。

少し急ぐ様子で

「東武東上線に乗りたいのですが、どうしたらいいですか」

今まさに私が出ようとしている改札の真正面に東武東上線の改札はある。

距離にして１０メートルと言ったところか。

「これです」

と少しいじわるになりそうな気持ちを抑えて東武東上線の改札を指し示しました。

「ああ」

目の前にあることに気付き、さぞや恥ずかしかろうと思いながら立ち去ろうとしたら

「あのっ、どうしたら」

と言われました。

まず、ＪＲの改札をでましょうよ……なぜなら東武東上線は私鉄ですから。

広い駅のコンコースでは、改札の中にいるのか外にいるのかわからなくなるようですね。

それでも私が口を開くより先に気が付いたようで、礼も言わずにＪＲの改札を駆け足で出て行きました。

若干不愉快な気持ちで走り去る彼の背中をみつめました。

すると！

私が教えた東武東上線の改札を横切り、地下鉄丸の内線の改札へまっしぐら。

丸の内線の改札前で間違いに気付き、踵を返して東上線の改札へ入って行きました。

それも、私が指し示した改札ではなかった……。

私、あなたのなんだったの？

長年同棲生活を送り、もう結婚するものと思っていた恋人が突然若い娘と結婚をすると言って出て行った時の一言のようだが、そんな色気のあることではない。

私、あなたのなんだったの？