02/18 (Sun) ｢2/18（日） 大奥にコール｣

営業電話のバイトをしています。 

といっても、既に一度契約を交わした人に新しいサービス始まったよと案内するだけなんですが、電話をかけてのことなので相当警戒されます。 

まあ、気持はわかる。


大体、主婦の方が電話に出ることが多いのですが、先日こんなことがありました。

｢お忙しいところ失礼します。○○会社の日沖と申しますが・・・」 

と名乗ったところで、 

｢えっと、え～、あの、…揚げ物をしているところなので」 

と拒絶。 

まあ、嘘とは限りませんよ、確かに。 

ただね、激しい動揺が手に取るようにわかるんですね。 

私は押し売りはしないんですよ、でもね、さすがに昼前から揚げ物をしていると言い張る奥様を放っておくわけにはいきませんでしょ？ 

それに、内容を知った上での拒否じゃないですからね。 

｢お忙しいところ失礼しました。では、後ほど改めます」 

なんて言ってみるわけです。 

実際かけ直すと、｢さっきはゴメンネ。なんだったの？」って言われることもあるものですからね。 


ところが、奥様の動揺は激しく増しましたよ。 

｢えっと、これから出かけるんです！……」 

…揚げ物はどうしたんだい、ハニー。 

でも、嘘でしょうとも言えませんし、かといって断られたわけでもないし、引きたくても引けないんですよね。 

私だって電話切りたいよ、本心は。 

どうせ嘘をつくのなら突き通して欲しい、私を信じさせてくれたらよかったのに……なんて、浮気が原因で恋人と離別するOLのような切ない心境であります。 


で、結局、 

｢じゃあ、夜にでも…」 

と言うしか無いわけ。 

すると、奥様の動揺は頂点に達したようで、とっさに出た言葉は 

｢い、いりませぬ！」 


大奥に繋がっていたようですね。 

大体、私はまだ名乗っただけだってのに、何が要らないんだかサッパリわかりません。 

随分と嫌われたものです。

しかし、ちゃんと断られるか面白いことでも言ってくれれば合格。 

｢じゃ、またあらためます」 

と捨て台詞を残して通話をやめました。 

まるで、｢今日はこの辺にしといてやるよ」と店をメチャメチャにして帰っていく昔ドラマの取立てやのような言いっぷりです。 

受注とやらは成立しませんが、ちょっと勝った気分。 

こんな感じで、営業は向いていませんが、のらりくらりしております。

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すみません。